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本当は毛沢東は一級の文化人特に詩人でもあるんだけど、冷徹な実務家・暴走した夢想家として語られる事が多い。毛沢東言行録はそのうち2つの面のみにフォーカスを当てた箴言集で、このメモではさらにそのうち1つの面しか見ない。
つまり、このメモは問題解決や組織運営の上での箴言を抜き出したもの。今更民主集中制や文化大革命の批判をやっても言い尽くされたことなので、それらの言行は無視する。

 

政策(戦略)の重要性

  1. 共産党11
    • 政策
      • 行動の出発点・課程・帰結。
      • 経験により正しいか否か証明される。どの程度正しく、どの程度間違っているかが確認される。
    • 行動
      • 政策を実行すること
    • 経験
      • 政策実行の課程と帰結
    • 一つの行動をとるに当たっては、そのたびごとに、あらかじめ、党員と大衆に対し、情勢に応じて規定した我々の政策を説明しなければならない。でないと、党員と大衆は、我々の政策の指導からはなれ、盲目的に行動し、誤った政策を実行するだろう。
  2. 共産党13
    • 政策と戦術は党の生命である。各段階の指導者は、じゅうぶんに眼をむけて、くれぐれも疎略に扱ってはいけない。
  3. 帝国主義と全ての反動派はハリコの虎である9
    • 戦略的には全ての敵を軽視し、戦術的には全ての敵を重視せよ
    • これを個別的解決といい、軍事の書物では各個撃破という
    • 一椀の飯を平らげることはできるが、その過程では一口ずつ食べるしかない。同様に工場は一つずつしか作れないし、田も一枚ずつしか耕せない。
  4. 人民戦争10
    • 優勢でも準備がなければ、真の優勢ではなく、主導性もない。この点が理解できれば、劣勢でも準備のある軍隊は、つねに、優勢な相手を敗北させるため、敵に対して不意の攻撃を加えてよい

政策を作る際には定量的な調査が必須

  1. 党委員会の指導8
    • 状況と問題について、かならずその量的側面に注意し、基本的な数量の分析をすべきである。
  2. 思想方法と活動方法11
    • よく知られているように、何をするにも、そのことがらの状況、それの性質、それとそれ以外のことがらとの関連を理解しなければ、そのことがらの法則を知ることはできす、どう手をつけてよいかを知ることはできず、その事柄を立派にやることはできない。
  3. 調査と研究1
    • 調査無くして発言権なし
    • 綿密な調査を経ない議論や批判は無知妄説にすぎない
  4. 調査と研究3
    • 主観的願望から出発するのではなく真剣に状況を研究して、客観的な事実の状況から出発せよ
  5. 調査と研究4
    • 結論は全て状況を調査した最後に生まれるもので、調査する前にはない
    • おろか者だけが、かれひとりで、あるいは大勢の仲間をかき集めて、調査も行わずに、「方法を考え」、「考えを決め」ようとして、苦心して瞑想にふける。これでは、絶対に、よい方法は思いつかないし、よい意見はたてられない
  6. 調査と研究5
    • 調査は「十ヶ月の妊娠」
    • 解決は「一朝にして分娩す」
    • 調査=解決
  7. 思想方法と活動方法30
    • 戦争を指導する人々は客観的条件の許す限度を超えて戦争の勝利を求めてはならない
    • 客観的条件の限度内では、能動的に戦争の勝利を勝ち取ってよいし、また、勝ち取るべきである。
  8. 人民戦争9
    • われわれの軍事原則は次の通りである
      1. 先に分散し孤立した敵を攻撃し、それから集中した強大な敵を攻撃する
      2. 先に小都市、中都市および広大な農村を取り、それから大都市をとる
      3. 敵兵力の殲滅を主要目的とし、都市と地域の保持あるいは奪取を目的としない
      4. どの戦いでも、圧倒的優勢な兵力を集中して敵の殲滅をはかる。損得の引き合わない、もしくは損得の相半ばする消耗戦はさける。
      5. 準備のない戦闘はせず、勝算のない戦闘はしない。どの戦闘でも極力準備を整え、極力敵味方の条件を比較して勝算をつかむようにする
    • (メモ:要は、大きな負けを避け、確実な小さな勝利を積み重ねれば、現在の彼我に力の差があっても将来の逆転は可能だということですな)
  9. 思想方法と活動方法32
    • 全ては頭を使って考えるべきである。
    • 盲目性を一掃するには、思索し、物事を分析する方法を習得し、分析する習慣を養うことを提唱しなければならない。

調査では事象の全面を見る必要がある

  1. 思想方法と活動方法23
    • 世の中の事柄は複雑で、各側面の要素によって決定される。
    • 問題は一つの面からだけ見るのではなく、いろいろな面から見るべきである。
  2. 思想方法と活動方法24
    • ただ問題を主観的、一面的、表面的に見る人間に限って、どこへ行っても、周囲の状況を考えず、ことがらの全体も見ず、ことがらの本質にもふれずに、独りよがりに号令をかけるが、こういう連中は、つまづくにきまっている。
  3. 思想方法と活動方法26
    • われわれの活動が何もかも順調なように言うのは、事実に合わない。
    • 何もかも順調ではなく、まだ欠陥も誤りもあるとはいっても、全てがまずいわけでもなく、これも事実に合わない。分析が必要なのである。全面否定とは、分析も加えずに、事柄が全部まずいと考えることである
    • 全面肯定の観点であれ、全面否定の観点であれ、それによってわれわれの活動を見るのは、どちらも間違っている。
  4. 思想方法と活動方法28
    • われわれは問題を全面的に見ることを習得すべきである。
    • 一定の条件の下では、悪いものからよい結果を引き出せるし、よいものからでも悪い結果を引き出せる。

政策を決定する会議のルール

  1. 党委員会の指導3
    • 問題を卓(テーブル)の上にもちださなければならない
  2. 党委員会の指導5
    • 理解できないことや知らないことはしてはならない
  3. 党委員会の指導9
    • 会議を開くに当たっては前もって通知する
    • 準備が間に合わなければ会議を開くな。「兵馬すでに至りて糧秣いまだ備わらず」
  4. 党委員会の指導10
    • 「精兵簡政」。談話、演説、文書、決議案などは全て簡潔で要を得ること。会議もあまり長引かせない。
  5. 批判と自己批判8
    • 一部の同士の批判が大きな事に注意せず、小さな事ばかり注意しているがこれは大きな危険である
    • このような批判が更に発展すると、党内の精神が小さな欠点ばかりに気をとられ、人々は小心慎重な君子と化し、党の政治的任務を忘れてしまうだろう。

会議で決めるべき事

  1. 党委員会の指導13
    • 二つの(選択肢の)境界線をはっきり引く
    • (更にそれぞれの選択肢の)成果と欠陥の境界線をひく必要があり、さらに、それらの内どちらが主要でどちらが副次的かをはっきりさせなければならない。
    • (メモ:ベイズ推定による行動決定みたいなものか?)
  2. 思想方法と活動方法22
    • 本質的でない、主流でない面の問題も粗略にすることなく、一つ一つ解決していかなければならない。
    • しかし、これらの問題を本質的な、主流の問題と見なして、自己の方向を見失ってはならない。
  3. 思想方法と活動方法33
    • 多くの矛盾が存在するときでも、その中にはかならず主要なものが一つあって指導的・決定的な役割をする。
    • その他は副次的な、従属的な地位にある。
    • 主要矛盾さえつかめばあらゆる問題はやすやすと解決できる。
  4. 思想方法と活動方法38
    • 同時に多くの中心的活動があってはならない

政策を行動に移す

  1. 思想方法と活動方法15
    • 世の中では観念論と形而上学がもっとも安直だ。
    • なぜなら、口から出任せを並べればよく、客観的実際に基づく必要もなければ、客観的実際によって点検されることもないからである。
  2. 自力更生、刻苦奮闘10
    • どのような新たな事物であろうと、成長する際には困難と曲折を経なければならない。
    • 困難や曲折を経ず、きわめて大きな努力を払わなくても、順風に帆を上げ、やすやすと成功をおさめたい、といった考え方は、幻想でしかない。
  3. 思想方法と活動方法35
    • 任務を提起するばかりではなく、任務達成の方法の問題をも解決しなければならない
    • 方法の問題を解決しない限り、任務も口から出任せを言ったに過ぎない
  4. 学習6
    • 正しい理論があっても、それをまくし立てるだけで、後は棚に放り上げて実行しようともしないとすれば、その理論がどんなに立派であっても無意味だ

行動を政策にフィードバックする

  1. 思想方法と活動方法12
    • 自己の思想が客観的外界の法則性に合致しなければ、実践の中で失敗する
    • 失敗した後も、失敗から教訓をくみ取って、自己の思想が外界の法則性に合致するように改めるならば、失敗を成功に返ることができる。
      • 「失敗は成功の母」
      • 「つまずくたびに知恵が増す」
  2. 思想方法と活動方法31
    • 人間の思想は変化した状況に適応しなければならない。
    • もちろん、誰であれ根拠もなしに妄想にふけってはならないし、客観的状況が許す条件を超えて自己の行動を計画してはならない。
    • しようとしても、できないことを無理にやってはいけない。
    • (しかし)いま、問題なのは、本来は努力すればできることを、多くの人々ができないと考えていることだ。
  3. 思想方法と活動方法34
    • 矛盾の主要側面と主要でない側面とは、固定されたものではなく、(状況の変化により)相互に転化し、問題の性質もそれにつれて変化する。
  4. 思想方法と活動方法39
    • 随時、活動の進行状態を把握し、経験を交流し、誤りを是正すべきである。
    • 数ヶ月、半年、一年たってから、やっと総括の会を開き、総決算し、まとめて是正するようではいけない
    • これでは、損失があまりに大きい。
    • 随時、是正すれば、損失は比較的少ない。
  5. 思想方法と活動方法40
    • 問題が山積し、ごたごたが沢山発生してから、解決するのではいけない。
    • 指導は、運動の先を進むべきであり、後になるべきではない
  6. 批判と自己批判14
    • 批判は事が行われているときにすべきである。
  7. 批判と自己批判15
    • どんな政党でも個人でも誤りは免れがたい
    • われわれが要求するのは、誤りを少なくすることである
    • 誤りを犯したならば、改めることを要求するが、改めるのは、早ければ早いほどよく徹底的であるほどよい

行動段階での矛盾

上位概念である政策が正しく、その下位概念である(政策を達成するために最適と考える)手段が伝統的な倫理や常識に反するときには、ある程度の強弁で倫理や常識を押さえ込むことが必要・・・危険な香り

  1. 階級と階級闘争8
    • 革命は、客を呼んで宴会をひらくことではない。文章をつくることではない。画をかいたり刺繍をしたりすることではない。そんなふうに風流で、そんなふうにおおらかにかまえた、文質彬彬で、そんなふうに温良恭倹譲ではありえない。革命は暴力である。一つの階級が一つの階級をくつがえす激烈な行動である。
  2. 階級と階級闘争10
    • だれが我々の敵か。我々の友か。これは第一に重要な革命の問題である。
  3. 階級と階級闘争13
    • 敵によって反対されないのは、われわれにとって、よくないことだ。きっと敵と同じ腐敗におちこんでいるのだ。
    • もし、敵によって反対されたら、よいことだ。敵と一線を画していることの証明だ。
    • もし、敵が躍起になって反対し、われわれのことを、めちゃめちゃだ、一つも正しいところがないと言って攻撃してくるならば、これはもっとよいことだ。敵と一線を画している証明であるばかりではなく、我々の工作( メモ注:日本語の「工作」のように後ろ暗いものではなく、どちらかというと「仕事」一般 )が立派な成績を上げている証明でもあるのだ。
  4. 階級と階級闘争14
    • 全て敵が反対するものは、守らなければならない。全て敵が守るものは、反対しなければならない。
  5. 社会主義と共産主義21
    • 「あなた方は国家権力を廃止するのではなかったか?」われわれは廃止する。しかし、いまはまだ、廃止しない。いまはまだ、廃止できない。なぜか?帝国主義がまだ存在し、国内の反動がまだ存在し、国内の階級がまだ存在しているからだ。
  6. 戦争と平和3
    • 歴史上の戦争は二つに分類できる。一つは正義の戦争であり、もう一つは不正な戦争である。
  7. 戦争と平和6
    • 鉄砲から政治権力が生まれる
  8. 人民の軍隊7
    • われわれの原則は、党が鉄砲に命令することであって、鉄砲が党に命令することは、決して許されない

民主集中制民主少一点

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C++の設計の多くの部分が、強制に対する私の嫌悪に根ざしている。 人類の歴史の最悪惨事は、"これは良いことだからこれをやれ!"という 理想主義者の強制から生じている。 理想主義は多くの罪なき犠牲者を作りだすだけでなく、 権力を揮う理想主義者たちを妄想と腐敗に導く。 理想主義者たちは経験を無視し、 また彼らのドクマや理論を否定する現実を無視する


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Last-modified: 2006-02-16 (木) 22:28:04 (6641d)
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ISBN10
ISBN13
9784061426061